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『雨利 終活写真館』芦沢 央(著)あらすじ [書籍]



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愛を感じるミステリーでした。
(有隣堂伊勢佐木町本店 佐伯敦子さん)

私なら最後に何を残したいんだろうかと、思いを馳せました。
(夢屋書店アピタ初生店 伊東佳子さん)


今回は書店員さんから熱いコメントが寄せられたハートウォーミングなミステリー『雨利 終活写真館』

著者の芦沢 央さんは今から注目しておくべき若手実力派のミステリー作家。
2012年に刊行されたデビュー作の『罪の余白』は、いきなり映画化。
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ある日、突然に娘を失った父親と美しすぎる女子高生が対峙する心理サスペンスは、原作もロングセラーとなりました。

更に今年刊行された『許されようとは思いません』は年末のミステリーランキングに続々とランクイン、
来年もさらなる飛躍が期待できる新進気鋭の若手作家です。

そんな芦沢さんの最新作『雨利 終活写真館』は巣鴨にある遺影専門の写真館が舞台。
終活のため、そこを訪れる人と彼らが抱える謎を紐解いていく心温まるミステリーです。

【あらすじ】
巣鴨の路地裏に佇む遺影専門の雨利写真館、黒子ハナがこの写真館に来た理由…それは。
「こちらでお世話になった東福寺キヨ… 祖母について、教えていただきたいことがあるんです」

数ヶ月前、ここで遺影を撮ったというハナの母方の祖母「キヨ」。
クイズ好きだったキヨは、毎年お正月に家中でお年玉を探すクイズを出し、ハナたちを楽しませてくれていた。

そんな祖母が残した遺言書を巡る『謎』…
3人の子供を持つキヨの遺言書には、長男には土地と建物を、次女には預貯金を与えるよう記されていた。
しかし、長女であるハナの母には何一つ遺産に関することは記されていなかったのです。

「自分は愛されていなかったのか」…落ち込む母、
それを心配したハナは真実を探る決意をし、雨利写真館を訪れます。

~後半へ続く~


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ほかにも写真館を訪れる『ワケあり』な人たち。

家族の死をきっかけに関係をこじらせてしまった親子三世代の遺影…
その結末とは。

妊婦さんと、その夫らしき男性が写った古い遺影…
そこに秘められた、ある過去とは。

そして、二人の女性と別々に二枚の遺影を撮る余命わずかの男性の願いとは。



第1話 一つ目の遺言状
第2話 十二年目の家族写真
第3話 三つ目の遺品
第4話 二枚目の遺影

遺影にまつわる4つの謎、そこには著者である芦沢さんの、こんな思いが込められています。
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終活というとお年寄り向けと思われがちなんですけど、大切な人の死を看取り、そのあとも自分が生きて行くというのは、あらゆる人に訪れ得ることだと思うので、ミステリーであると同時に家族小説でもあります。
なので、いろんな関係性の中に読者の方も身を置いて読んでみて頂いたら嬉しいと思います。




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『ヒーロー!』白岩 玄(著)あらすじ [書籍]



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白岩 玄さん32歳。専門学校生時代に書いたデビュー作『野ブタ。をプロデュース』が芥川賞候補に。
この作品はTVドラマ化され、70万部を売り上げるベストセラーになりました。

そんな白岩 玄さんの最新作が、正義とは何かを問う痛快学園小説ヒーロー!』
今作は白岩さんがデビュー作以来、12年ぶりにイジメ問題に挑んだ意欲作。
いじめを取り巻く問題で、圧倒的に人数が多いのは被害者でも加害者でもなく傍観者。
見ているだけで何もしない彼らの興味を惹きつけ、いじめを無くすために奮闘する大仏マンの姿を描いています。

【あらすじ】
高校2年生の佐古 鈴は演劇を愛する”ひねくれ女子”。
学校の演劇部で演出を担当、その手腕にはちょっと自信あり。

ある日、鈴は同級生の新島英雄に、学校で起きているイジメを解決する方法を思いついたと、風変わりな提案をされる。
その方法とは・・・『大仏マンショー』

周囲で休み時間に繰り返されているイジメから、生徒たちの興味を逸らすために『大仏マンショー』を開催。

「いじめってのは、誰か特定の人に負の関心が集まるから起こるわけだよ。だったら教室の中で何か面白いことをして、みんなの関心を無理やりさらってしまえばいい」

「みんなの気を引き続ける。それをずっとやり続ければ、いじめは自然となくなるんだよ。なぁ、一緒に学校の平和を守ろうぜ」

イジメを忘れる程おもしろいことが起きれば、いじめる気持ちも無くなるのでは?というのが英雄の目論見だった。しかし、注目を集め続けるには演出的手腕が必要、そこで鈴が選ばれたというわけだ。
「俺の見せ方を考えて、なるべくみんなの視線を他に集中させるようにしてほしいんだ」

実は英雄は、いじめられていた親友への思いを大仏マンショーに込めていました。
そして、その英雄の気持ちを受け止めた校長先生は、生徒1人ひとりの居場所を作るため、良き理解者として奮闘しますが…

~後半へ続く~


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英雄の思惑通り大仏マンショーが注目を集めいていたある日、なんとライバルが出現する。
それは、大仏マンショーを潰すべく始まった馬たちのパフォーマンス

実はこのショーを考えたのは、鈴がいつも演劇部でタッグを組んでいる脚本担当の小峰玲花。
鈴の唯一の親友ともいえる彼女がなぜ。

「調子に乗んじゃねぇ。ショーが毎日うるせぇんだよ」

英雄の大仏マンショーは少しづつ効果が出始めている一方で、悪意を持つ生徒たちの標的にもなり始めていた。

そんな中、鈴は馬のショーをプロデュースしているライバルの玲花のやり方が許せず喧嘩になってしまう。
そして、また言い争ってしまったという後悔を含んだ胸の痛みだけが残る。

そんな鈴に英雄は、「自分の中の正しさを疑わないのは危険だよ」と諭す。

正義とは、そして正しさとは何なのかを、読んでいる1人ひとりが問いかけられる作品です。




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『霧(ウラル)』桜木紫乃(著)あらすじ [書籍]



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北海道在住の作家 桜木紫乃さん。
釧路郊外のホテルにまつわる男女の連作短編集『ホテルローヤル』が直木賞を受賞し、
累計80万部を超えるベストセラーになりました。
作品のほとんどを地元である北海道を舞台にして、男女の人間模様を巧みに描く人気作家です。
なお、今年の11月7日には短編小説の『起終点駅(ターミナル)』が映画化。
主演の佐藤浩市さんは最果ての地 釧路で、罪を抱えたまま生きる弁護士を熱演しています。

そして待望の最新刊『霧(ウラル)』もまた、北海道の根室を舞台にした男と女の物語。
桜木さんは今作のために根室を訪れ、北方四島の景色など、国境の町ならではの景色も物語に取り入れたそうです。

【あらすじ】
舞台は北方領土問題にゆれる、昭和30年代の根室。
水産会社を営む地元有力者の家に生まれた三姉妹の次女、珠生(たまき)は15歳で家を飛び出し、芸者として働いていた。
「姉と妹に挟まれた自分の居場所は、自分で見つけるしかない」
しがらみに満ちた土地で、自ら人生を切り開き生きようとする珠生の、女としての戦いの物語。

芸者の世界に飛び込んで5年。
20歳になった珠生は、客としてやって来た無愛想な長身のやさ男(相羽重之)と出逢う。
親兄弟を海で亡くし、天涯孤独のこの男に珠生は次第に惹かれ、やがて恋に落ちる。
しかし珠生が惚れてしまった相羽は、根室の発展を裏で牛耳る相羽組の組長だった。

「相羽に惚れ込んでついてくる部下に、みっともないところは見せられない」
芸者を辞め相葉と結婚した珠生は組員から姐さんと呼ばれ、少しづつ心の持ちようも態度も変わっていく。

珠生がここで泣いたりわめいたりなどすれば、たちまち相羽という男の「格」が下がる。
相羽と自分は、つがいではなく対だった。

~後半へ続く~


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三姉妹の長女である智鶴は国政への出馬が噂される地元の名士と結婚、いわゆる政略結婚である。
そして三女の早苗は親のすすめで金融業の次男を婿養子にすることに。

政治家、金貸し、そして極道。

利害が交錯する男達によって、三姉妹の運命が翻弄されていく。
複雑に絡み合う怒涛の人間ドラマ、ラストに見えてくる景色とは…

「良かったかどうかなんて、結末までわからない。」
「大切なのは、自分の信じたとおりに歩くこと。」
「誰を信じるかよりも、自分を信じられるかどうかを試されていた。」

覚悟を決めて人生と向き合う女の生き様を描いた『霧(ウラル)』




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『啼かない鳥は空に溺れる』唯川 恵(著)あらすじ [書籍]




正しいのは、母だろうか、娘だろうか。
間違っているのは、娘だろうか、母だろうか。
答えはきっと、母と娘の数だけある。

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母の愛が欲しかった千遥(ちはる)と、母の愛が重かった亜沙子。
二人の主人公の視点から、母と娘の切り離せない呪縛と依存を描いた物語。

著者は直木賞作家の唯川 恵さん。およそ10年のOL生活を経て29歳で作家デビュー。
2001年に直木賞を受賞した『肩ごしの恋人』はドラマ化。
恋や友情など、女性のリアルな気持ちを表現する人気作家の一人です。

【あらすじ】
32歳の千遥は契約社員ながら、愛人の援助を受けセレブ気取り。
年下でフリーターの功太郎からも熱心に迫られ優越感に浸っている。
そんな彼女の苦しみは、母から嫌われていること。
「泣けば許されるのと思うな」が口癖の母は、見栄っ張りで結婚していない千遥を、
「あんたは、うちの恥さらし」と吐き捨てるのだった。

もう一人の主人公である亜沙子は父を亡くしてから母と二人暮らし。
週末ランチを母が楽しみにしているので、何よりも優先させていた。
「かあさんの生きがいは、亜沙ちゃんだけだもの」
母もまた、亜沙子のことを想い、愛情をそそぐ。

しかし、その愛情もあることがきっかけとなり、母との関係が徐々に歪み始めてゆく。


~後半へ続く~


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恒例の母との週末ランチ。
母が予約したレストランの席に通されると、そこには田畑という男が待っていた。
「田畑さんはね、コンピュータ技師をされてるの。」
楽しそうに話題を振りまく母の意図に、亜沙子はもちろん気づいていた。
そして、葛藤しながらも数回のデートを重ね婚約。

一方の千遥も、フリーターだった功太郎が公認会計士の試験に合格したことから、
これで母を満足させられるのではないか、と結婚を決意。

しかし、二人ともその頃から母への気持ちに変化が訪れる。
婚約を機に、大きく変わっていく母と娘の歪んだ関係。

「このままでは私は母から逃げられない、母にがんじがらめにされてゆく」

「母と娘の関係が、さまざまにあるのはわかっている。
それは父とも、姉妹とも、兄弟とも、女友達とも、恋人とも質が違っている。
鬱陶しくもあり、反発もあり、同時にいちばんの理解者であり、心の拠り所でもある。」

思いがけないラストまで一気読み必至のサスペンスフル長篇小説

正しいのは、母だろうか、娘だろうか。




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『王とサーカス』米澤穂信(著)あらすじ [書籍]



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ミステリーの名手として、幅広い世代から人気の作家である米澤穂信さん。
2014年に発売された『満願』では、年末のミステリーランキングで三冠を獲得するなど話題を呼び、20万部を超えるベストセラーになりました。
今、注目の作家、米澤さんの最新作はネパールで実際に起きた事件を題材にした『王とサーカス』。


【あらすじ】
2001年6月1日 ネパールの首都カトマンズでは、色とりどりのバザールが開かれ、人々が祈りを捧げている。

「仕度というほどの仕度もせず、飛び込むようにこの街まで来てしまった」。

この物語の主人公である大刀洗万智(たちあらい まち)は、6年勤めた新聞社を辞め、フリーの記者になったばかり。
雑誌社から依頼された、アジア旅行特集の事前取材のためにカトマンズへやって来た。

宿泊しているトーキョーロッジには日本の元僧侶『八津田』、アメリカの大学生『ロブ』、
インドの商人『シュクマル』が泊まっている。

「どうせならガイドしてやるよ。俺は詳しいんだ」
現地で知り合った少年『サガル』にガイドを頼み、取材を始めようとした矢先、ネパール全土を揺るがす事件が起きる。

王宮で国王夫妻を含む王族8人が皇太子に殺害されたのである。

国民は悲しみに包まれる一方、あまり情報を公開しないネパール政府への不信感がつのり、街には不穏な空気が漂い始める。

「ふっと、膝から力が抜けるような感覚があった。これが足が竦むということか。」

思いがけず大きな事件に遭遇した大刀洗は、記者として情報を集めようとするが、なにか奇妙な予感を感じていた、
この取材は危険なのではないかと。

~後半へ続く~


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「午後2時、クラブ・ジャスミンにて。一人で来ること。秘密厳守」
大刀洗は不穏な空気の中、極秘裏に関係者へのコンタクトをとり、危険を承知で取材に挑む。

「王宮事件の真相をスクープできれば、わたしの名は一気にあがる」
このインタビューが成功し記事にできれば、フリージャーナリストとして、この上ないスタートになる。
彼女はその欲求を抑えられなかった。

しかし、そこで取材相手から放たれた言葉は、記者としての価値観を大きく揺さぶられるものだった。

「お前の信念の中身はなんだ。お前が真実を伝える者だというのなら、なんのために伝えようとしているのか教えてくれ。自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。私は、この国をサーカスにするつもりはないのだ。」

徐々に濃くなっていくミステリーとともに重要となる要素は、ジャーナリスト大刀洗万智の経験値。
「…なぜ、わたしは伝えるのか」
「6年も記者をやっていたのに、どんな人がわたしの記事を読み喜ぶのか、本当に深く考えたことはなかったのではないか…」

6年の新聞記者を経て、フリーとして歩き出したばかりの彼女が、ネパール中を揺るがす事件に遭遇し、自問自答を繰り返していきます。

「人が倒れていた。ごみと雑草の中に、足がまず見えた。」
太刀洗が模索している中、とある人物が死体となって発見されるのである。
その背中には、
密告者を意味する『INFORMER』の文字が刻まれていた。

「意味は必ずある。文字を刻んだ意味が。」
その人物はなぜ殺されてしまったのか。密告者とは誰を意味するのか。
そしてジャーナリスト大刀洗万智は、ネパールの人々の思いに触れ、一体何を書くのか。
最後に彼女が出した答えとは…。



作中の王族殺害事件は、2001年6月に実際にカトマンズのナラヤンヒティ王宮で起きた出来事。
国王夫妻を含む何人もの王族が皇太子に殺害され、世界中が衝撃に包まれました。
なぜ、米澤さんはこの事件を小説の題材に選んだのでしょうか。

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【米澤さんより】
この事件は、非常にインパクトがあり、信じられないような事件でした。
しかし、その後、世の中が大きく変わってしまって忘れられてしまったようなところもあります。
こういう事件を、いま自分が知ろうとすること、そこにはどういう意味があるんだろうかということを、改めて見つめることへのきっかけとなる事件ではなかったのかと思っています。

米澤さんが今作を手がけるきっかけの一つになったのは、今回の主人公 大刀洗万智が登場している2004年発売の『さよなら妖精』
青春小説でユーゴスラビアをテーマに取り上げた作品です、興味のある方はこちらもご覧あれ。

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『流』 東山彰良(著)あらすじ [書籍]



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7月16日に発表される第153回直木賞ノミネート作で東山さん初の候補となった『流』。
1970年代の熱気に溢れ混沌としていた台湾を舞台に描いた青春小説です。

著者の東山さんは台湾生まれで日本育ち。
自らのルーツともいえる本作で直木賞候補となりました。
2003年に発売の『逃亡作法』はデビュー作ながら20万部の大ヒット。
さらに2009年の『路傍』では、優れたミステリー作品などに贈られる大藪春彦賞を受賞しています。

【あらすじ】
物語の舞台は1970年代の台湾。
国民党と共産党が対立し、長期にわたる戒厳令が続いていた。

台北市の高校に通う17歳の 葉 秋生(イエ チョウシェン)は祖父と祖母、高校教師の父と少し短気な母と、叔父・叔母に囲まれて暮らしている。

「私は豆花が大好きだった。特に祖父が朝に買ってきてくれる あの誇らしい一杯が」
秋生は幼い頃から祖父が大好きだった。

「祖父は脇腹と右足の甲と左足の脛に銃槍があり、いつも『三国志』や『水滸伝』ばりに誇張した武勇伝を語り聞かせてくれた」

何度も生死の境をかいくぐったという戦争の話。
多少の誇張はあると思いつつも、その経験談は興味深かった。

「あんたのおじいちゃんはね、ろくでなしのクズよ。おばあちゃんにどれだけお金で苦労をかけたか知ってる?」
祖父は戦争で犠牲になった兄弟分の息子を育てる優しい気質を持つ一方、妻を度々泣かせる豪快な男でもあった。
そんな大好きな祖父が、あるとき突然に命を奪われた。

~後半へ続く~


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「当時の台北は今よりうんと混沌としていて、どんなことでも起こりえた」
「通りをはさんで怒鳴り合うおばさんたち、子供を見かけるたびに理由もなく小突いてくるおじさんたち」
「もめ事も小さいものから大きなものまで、なんでもござれだった」

戒厳令が敷かれ混沌としていた時代。
雑然とした街、熱気にあふれた人々、罵り合いや喧嘩が日常の風景だった。
そんな中、秋生に一大事が起こる。
それは替え玉受験。

「いまだになぜバレたのかわからない」

台北の進学校に通っていた秋生だったが、幼なじみの儲け話に乗せられて身代わりで試験を受け、捕まってしまう。
その結果、台湾でも指折りの不良が集う高校に編入する羽目になる。
自然と喧嘩三昧の日々となり、鉄の定規を削って作った刀を常に持ち歩くようになっていった。

「喧嘩上等。いつしかわたしは生傷の絶えない身となった」

そして不良少年同士の報復合戦は次第にエスカレートし、もはや血を見なければ収まりがつかない状態に。
そこで秋生は驚きの行動に出る。
定規の刀を自分の太腿に叩きつけたのだ。


やがて人生が大きく動き始める。
やくざとのカーチェイス、兵役、幽霊、そして初恋。
有り余る時間は秋生にとって青春の輝きそのものだった。

そして、祖父の遺品の中から見つけた一枚の家族写真
それをきっかけに、舞台は日本、そして運命の地へ。
秋生は祖父の歴史と秘められた思いを知り、己のルーツと対峙することになる。

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【この作品について】 東山彰良さん
この作品は、『僕が自分の居場所を確認する作業』のような小説だと思っています。
もし、その確認作業が多くの人に受け入れられて、それで楽しんで頂ければ、それに越したことはないと思います。




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『森は知っている』吉田修一(著)あらすじ [書籍]



自分以外の人間は誰も信じるな。
子供の頃からそう言われ続けて育てられた。
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2002年に『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞をダブル受賞した吉田修一さん。彼の作品は映像化されるものも多く、『さよなら渓谷』や『横道世之介』更に日本アカデミー賞5部門を制した『悪人』。
そして2015年の本屋大賞候補作『怒り』は、『悪人』の李相日監督と再タッグを組み2016年に映画公開予定。

【あらすじ】
沖縄県の南西に浮かぶ孤島『南蘭島(ならんとう)』で暮らす鷹野一彦 17歳。
親友の柳 勇次とふざけあう姿は、一見、南の島に生きる普通の高校生。

しかし、彼には壮絶な過去があったのである。

幼い頃、両親に育児放棄され2歳の弟を亡くしたが、4歳だった彼は一命を取り留めた。
そして、孤児になった鷹野を引き取ったのは、とある通信社。
表向きはアジア各地のリゾート情報を配信しているが、裏では情報組織としての顔を持っている。

「新たな名前と出自が与えられ、18歳になるまで私たちが育てます」
その組織は鷹野や柳のような孤児を産業スパイとして独り立ちさせるための訓練を行っていた。

「あと二ヶ月で、俺、十八だ」「ああ」
二人も18歳になったら正式にスパイとして生きることを迫られる。

任務に付けば胸に小型爆弾を埋め込まれ、定時連絡を怠ると爆発する。

「三十五歳になるまで雑巾みたいに使われ続けるのかよ」
そう、命をかけて組織のために働く日々は、35歳になるまで開放されることはない。

「激しい虐待の中で生きるしかない子供は、その一瞬一瞬を生きるようになる」
「終わらない恐怖よりは、繰り返される恐怖として認識することで、どうにか生き延びようとするのだ」
幼少期の過酷な体験はトラウマとなり、そのことを忘れようと無意識に防衛本能が働く。

そんな経験を持つ鷹野は、こう話す。
「前に、ある人に言われたんだ。一日だけなら生きられるだろって。それを毎日続ければいいって」
「一日、そしてまた一日って繋いでいけば、それが将来だろ?」

ある日、突然に柳が姿を消した。
組織への裏切りか逃亡か。

~後半へ続く~


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鷹野は親友の行方を案じながらも、訓練の最終ミッションに挑む時がきた。
「今日の最終フェリーでこの島を出るぞ」
産業スパイになるということは、南蘭島で育んだ友情や生活を捨てることでもある。

「どんなことがあっても生きろ。いいか、お前さんにはその価値がある」
3年間育ててくれた知子ばぁちゃんは言う。
そして淡い初恋の相手だった同級生の詩織との別れの時が迫る。


「おそらく近い将来、日本の上下水道事業に関して構造的な大変化が起こる」
鷹野を待っていたのは、世界で熾烈な情報戦を繰り広げるウォータービジネスの世界だった。
香港・パリ・韓国、そして日本を舞台に騙し騙される情報戦は、スパイ達が命をかける展開となる。

自分以外の人間は誰も信じるなと言われて育った少年は、自らの信念を貫き、孤独な世界へ。

「自分以外の人間は誰も信じるな…しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある」
「たった一人、自分だけは信じていいのだ」

果たして、最後に笑う者は誰なのか。


吉田修一さん
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【主人公について】
この作品を書き始める前、鷹野という主人公は私の作品の中でも一番弱々しく、助けてあげたいと思う存在のような気がしていました。しかし実際に書いていくと、これまでの作品の中で誰よりも強く、鷹野の一言一言に、変な話ですが逆に自分が教えられました。


実はこの作品、吉田さん初となるシリーズ小説の2作目。
1作目の『太陽は動かない』で活躍した鷹野の少年時代に迫った『エピソード0』
前作では31歳だった彼が、なぜ産業スパイになったのかを描いています。
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『あなたが消えた夜に』中村文則(著)あらすじ [書籍]



人間の中に潜む『無意識の悪』
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作家の中村文則さん(37)は、2002年に『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー
2005年『土の中の子供』で芥川賞、2010年『掏摸<スリ>』で大江健三郎賞を受賞。
人間の心の闇を抉り出す作品は世界各国で翻訳され、ついに2014年には米文学賞 David L.Goodis賞を日本人として初めて受賞。
国内だけではなく、海外でも高い評価を獲得しています。
最新作の『あなたが消えた夜に』は、13年のキャリアで初めて刑事を主人公としたミステリー小説です。


【あらすじ】
物語の舞台は、とある小さな地方都市。
突如、平和な町で連続通り魔事件が発生する。

目撃者によると、犯人は恐ろしい程の無表情でグレーのコートを着た男。
事件直後100名近くの捜査員は一斉にコートの男の行方を追う。
目撃証言も多く、すぐに解決するかと思われたが、一向に犯人の行方はわからずに犯行は繰り返されていく。

「・・・つまり、犯人が死体を運ぼうとした?」
所轄の刑事『中島』と捜査一課の女刑事『小橋』は、捜査を進めるうちに犯人の不可解な行動に気づき、独自にコートの男を追う。
「犯人の立場で、犯人になりきって物事を見ないと、真相を見失う。」

そんな捜査の甲斐があって、怪しげな人物を逮捕。
これで事件は解決したかに思われた。

しかし、その後もコートの男を名乗る犯人による通り魔事件が起こる。
一体なぜ?

そして一つの証言が、さらに事件の捜査を混乱させる。

~後半へ続く~


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「・・・こう言っていたのですよ。あいつを殺すときは、通り魔に見せかけるって」
被害者や目撃証言を詳しく辿り、ついに中島と小橋は事件の裏に隠されていた本当の『悪』を知る。

「悪は姿を変える。殺人とは到底結びつかない悪が、」
物語が終盤にさしかかる頃、ある女性の死がきっかけとなり、これまで全く関係のない人たちが一本の線となり繋がっていく。

一体誰が何のために人を殺すのか。
そして神にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。
その真実に触れたとき、すべての謎が明かされる。

この物語はミステリー小説でありながらも、壮大な人間ドラマとして進んでいきます。



これまで犯罪を犯す側の内面を書く事が多かった中村さんですが、初めて警察小説を書くうえでのテーマは何だったのでしょうか。
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【中村さんより】
どうしても人間って、誰しもが他人に言えないことがあると思います。
そして自分のことを全部コントロール出来るわけではない。
なぜならば無意識の領域というものに、かなり影響されてしまうから。
だから、わざとじゃないと思っていたのに、実はその人の無意識の悪がやっていたことかもしれない。そういった人間の不思議さを、ミステリーという枠組みに取り入れて書きました。




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『リバース』湊かなえ(著)あらすじ [書籍]



事件は一枚の告発文から始まった。
「深瀬和久は人殺しだ」
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2008年に発売された『告白』で本屋大賞を受賞、その後も続々とヒット作を生み出すミステリーの名手、湊かなえさんの最新作『リバース』

【あらすじ】
ごく平凡なサラリーマンである深瀬和久の趣味はコーヒーを飲むこと。

「同じ豆と機械なのに、深瀬が入れると旨いんだよな」

お気に入りのコーヒー豆専門店を毎日訪れていた深瀬は、昔から美味しいコーヒーを入れることだけが唯一の取り柄だった。

深瀬は学生時代から取り立てて目立つところはなく、事務機会社に就職して2年が過ぎていた。
週に一度は訪れる得意先の高校には、大学時代のゼミのメンバーだった浅見康介が勤めている。

深瀬の中で、ゼミの同期5人は二つのグループに分けられていた。
兄貴分的な存在の浅見と父親が県会議員をしている村井、そして人気者の谷原。
この三人が〈派手グループ〉
そして、深瀬と心優しく気のいい青年の広沢は〈地味グループ〉

「近いうちに時間作れないか?村井が久々に皆で飲もうってさ」
〈本心で誘っているわけではないのだろう、深瀬は酒を一滴も飲めない〉

深瀬が勝手に感じていたゼミの中での格差は、社会人になった今も『常に自分は脇役である』という劣等感から逃れられずにいるのだった。

ある日深瀬はコーヒー豆専門店『クローバー・コーヒー』で、近所のパン屋で働く越智美穂子と出逢う。

いつしか楽しい時間を過ごすようになる二人。

「運がよければ週に三度、悪くても一度は店で美穂子と一緒になった」

そして、このまま関係を深めていけるはずだった…

「深瀬和久は人殺しだ」
美穂子に、あの告発文が届くまでは。

ついに深瀬は、美穂子に隠し続けていた唯一の『闇』を告白することになる。

~後半へ続く~


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「斑丘高原に行かないか、と提案したのは村井隆明だった」
3年前の夏、深瀬たちゼミ仲間5人は村井の叔父が持っている別荘へ出かけた。
天候はあいにくの風雨に見舞われたものの、
道中で買った新鮮な高原野菜や肉などを食べ、嵐の夜を笑いながら過ごしていた。

そんな中、メンバーにかかってきた一本の電話、そして一向にやまない雨。
あらゆる要素が複雑に絡み合い、ひとりの命が奪われた。

あの夜のことを蒸し返そうとしているのか? 告発文を送ったのは誰なのか?
俺たちにどんな償いを求めているのか?

不安は疑惑を呼び、仲間と思っていたメンバーですら、心の奥底で告発してきた犯人ではないのかと疑ってしまう。

事件の真相を突き止めるため動き出す深瀬。
「僕にとっては人生で初めてできた親友だったんだ」
「どんな人生を送ってきたのか、遡っていきたい」

亡くなった親友を知る人に会いながら、彼の人生を手繰り寄せていく。


タイトルの『リバース』には二つの意味があります。
一つは親友の人生を遡って行きながら、自分の人生も振り返り、この先を見つめること。

そして、二つ目のリバースの意味は物語のラストで明かされることになります。


男性が主人公の今作、これは湊さんにとって新たな挑戦だったそうです。
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【湊かなえさんより】
私の作品のほとんどは女性が主人公で、女性目線で話が進行していくのですが、
サイン会に来てくださった読者の方々から、「次は男性で長編を書いてください」っていうリクエストが結構ありました。

登場人物の深瀬については、彼が思うことの何分の一かでも自分に当てはまることがあるかもしれない、そんなふうに思ってもらえる人物にしたいという思いがありました。
深瀬は私の分身ではないのですが、私も10代の時に、一緒にグループいるけれど、「本当はみんな自分のことをどう思っているんだろう」
とか、不安になることもあったし「もしかして自分が帰った後にすごく盛り上がっているんじゃないか」とか、どんどんマイナス方向に捉えてしまった時期がありました。

普段は良い人に見えても、ピンチに陥った時に弱くなる人もいると思います。
誰もが自分を守ろうとするときに、どういう守り方をするのだろうか、
また、どういった《葛藤》とか《すれ違い》のぶつかり合いで悲劇が起こるのだろうか。
この物語は、そのような観点からそれぞれの登場人物を描いていきました。

ちなみに、この物語で深瀬が通っているコーヒー豆専門店『クローバー・コーヒー』は湊さん行きつけのお店がモデルなのだそうです。




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タグ:湊かなえ
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『武道館』 朝井リョウ(著) あらすじ [書籍]



誰も見たことのないアイドルの真実、誰も見ようとしなかったアイドルを取り巻くものの正体。
アイドルを見つめ続けてきた朝井リョウさんだから描けた、真のアイドルの姿とは。
budoukann.jpg

今年、デビュー5年目を迎える作家の朝井リョウさん(25)は、2009年に発表した『桐島、部活やめるってよ』(集英社文庫)では、高校生活の格付けを巧みに描き、小説スバル新人賞を受賞。
また、この作品は映画化され日本アカデミー賞最優秀作品賞も受賞しました。

2013年には就職活動SNSをテーマとした『何者』(集英社)で第148回 直木賞を受賞。
初の平成生まれの受賞者として注目を集めました。
その後も『世界地図の下書き』 『スペードの3』など、鋭い視線で若者のリアルな姿を描き、人間の本性を炙り出す作品を送り出し続けています。

そしてデビュー10作目、アイドルファンを公言する朝井さんが描いた最新作『武道館』は、現代のアイドルがテーマ。
アイドルグループ "NEXT YOU" が憧れの武道館ライブを目指しながら数々のタブーや批判、してはいけない恋愛など、ひとりの女の子としての葛藤に立ち向かう姿を描いた作品です。

【あらすじ】
結成当時から武道館ライブを合言葉に活動するアイドルグループ"NEXT YOU"。
主人公の愛子は小さい頃からの夢を叶え、念願のアイドルとなった。
メンバーは、るりか・碧・杏佳・波奈・真由、そして愛子の6名。

しかし結成1年が過ぎ、これからという時、
「ほんと、いきなりでごめん・・・ あたし、NEXT YOUを卒業する」
グループの中心的存在だった杏佳が、突然にグループを去ってしまう。
そしてNEXT YOUは残った5人のメンバーで武道館ライブという夢を目指すことになる。

~後半へ続く~


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↓↓↓↓続き↓↓↓↓


独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、そしてこれまでにない難度の高いライブパフォーマンスなど、様々な手段で人気と知名度を上げてゆくNEXT YOU。

「もしかしたら、いつか本当に、武道館とかに立てるかもしれない感じだよね」
彼女たちも次第に武道館ライブ実現の手応えを感じ始める。

しかし注目が集まるにしたがい、プライベートの詮索、恋愛禁止、ブログの炎上など数々の批判や中傷が彼女たちに向けられ、次第に追い詰められてゆく。

「武道館に立ったあとも、ハタチになったあとも・・・」
碧はまっすぐ前を向いている。だから、目は合わない。
「アイドルじゃなくなったあとも、生きていくんだよ、私たちって」

アイドルとして生きながらも、人間であることをやめられない少女達の輝きと苦悩を綴った物語。


浅井さんが今作でアイドルをテーマにした理由はなんだったのでしょうか。
ryou.jpg
アイドルに対して怒っている人もいるし、のめり込んでファンになる人もいて、色々な反応を示す人がいる。
色々な反応を示すものこそが、現代を一番反映しているものではないかと。
そう言う意味でアイドルは、今、一番色々な人たちの感情を映し出している。

アイドル目線で書くことで、絶対に書かなければいけないと思ったことは、恋愛感情や自分の中にある性衝動などに触ってしまった瞬間のこと。
だから、アイドルファンの人達は絶対に読みたくないのでは、と思いました。
しかし、絶対に読みたくないものは誰かが書かなくてはいけない。

アイドルと人間は両立ができるのか、というテーマを書きたかった。
恋愛禁止、食べたいものを食べられないなど、両立しない欲望を満たさないといけないのが、アイドルという存在と思うところがありました。
なので、それらを満たすことによってアイドル自身が「私、人間でいいんだ」と思えるような作品になったらいいなと思います。




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